毛繊維の種類と特徴|カシミヤ、ウール、アンゴラ、モヘヤ、らくだ等の獣毛の特性
天然繊維とは人工的に作られたものではない繊維のことです。服に使われる天然繊維ですが、主に植物繊維と動物繊維があります。植物繊維は綿(コットン)と麻(リネン)を含めています。動物繊維ですが、カシミヤ、ウール、アルパカ、モヘア、アンゴラ、キャメルなどがよく服の素材として使われています。
動物繊維というのは、獣の毛なので、その動物が成育している環境に耐えられるよう進化したものです。環境の変化に耐えられるだけでなく、機能的に優れた構造を持つものが多いです。保温性はもちろんのこと、熱くなりすぎないような性質、吸水や吸汗性能も優れています。
① カシミヤ
カシミヤヤギから採れる獣毛素材です。「繊維の宝石」とも呼ばれています。
カシミヤの特徴は、羊毛(ウール)に比べて毛の繊維が細く長いので空気を含みやすく、光沢があり肌触りも良く、とにかく軽くて柔らかく保湿性が高いのが特徴です。
カシミヤ100%タートルネック プルオーバーニット
② ウール
衣料に使用される毛の大半がウールです。ウールとは「羊の毛」のことです。ウールは弾力性があり膨らみがある、シワになりにくいなどの良い点があります。保温性が高いのも秋冬の服にしては欠かせない要素です。
③ アルパカ
アルパカは南米のアンデス山脈の高地に生息するラクダ科の動物です。動物園などでもよく見かけますが、その毛は衣類の素材として使用されています。アルパカの毛は保温性がカシミヤ以上と言われています。毛玉が出にくく、丈夫で長持ちです。ただし、人によってややチクチクするかもしれません。
④ モヘア
カシミヤと同様、高級素材として知られています。モヘアはアンゴラヤギからとれる獣毛です。毛は長く、なめらかで、きわめて美しい光沢を有しています。ただし、毛が抜けやすいという特徴があります。気をつけていても、摩擦や静電気により毛が他にも付きやすくなるのです。
モヘアニット
⑤ キャメル(ラクダ)
キャメルとはふたこぶラクダからとれる獣毛です。暗褐色で赤みを帯びた毛の色をしています。保湿性、弾力性がよいとともに、軽く、手ざわりも優れています。ただし、ラクダの毛の色は染色性が悪いため、衣類などに使用するときは、ほとんどがナチュラルカラーです。
キャメルニット
⑥ アンゴラ
「ラビットファー」などとも呼ばれ、広く知られる素材です。アンゴラウサギ、野ウサギの毛を使用しています。特にアンゴラウサギは、軽量性と保湿性、吸湿性に優れており、美しい光沢感もあることで、高級素材とされています。ただし、フェルト化しやすいというデメリットもあります。
アンゴラニット
寒い日にこそ着たいニットは、やっぱり暖かさが大事ですね。植物繊維、化学繊維よりは、動物繊維であるウール・アルパカ・カシミヤのニットを選ぶのがおすすめです。